鉢から植物を抜くと、土の表面からは見えなかった根の姿が現れます。
細い根が土を抱え、根鉢の形を保っている。その姿を見ると、つい古い土をすべて落とし、きれいに整えたくなることがあります。
けれど、植え替えのたびに根鉢を大きく崩す必要はありません。
土が自然にほぐれる程度なのか。根が鉢の形に回っているのか。黒ずんだ部分や、乾きすぎた場所がないか。
まずは触りすぎずに、根鉢全体を見ます。
根は、それまで過ごしてきた土の中に、自分なりの通り道をつくっています。まだ呼吸できる土と、傷んでいない根まで無理に離すと、植物にとって大きな環境変化になることがあります。
必要な所だけを整え、残せる土と根は残す。
暮らしの見直しも、似ているのかもしれません。すべてをやり直すより、今も自分を支えているものを見つける。
根鉢を手に取る時間は、変える前に見ることを、静かに思い出させてくれます。
急がず、比べず、育つ時間を見守る。
根ノ庭
