夜の庭に命を聴く

夜の庭に命を聴く
見える景色の奥にある、静かな時間。

日が落ちた庭から、虫の声が聞こえてくるようになりました。

昼の庭では、花の色や葉の形に目が向きます。
けれど夜になると、見えないところにいる命の気配が、音になって届きます。

草の陰にも、石の下にも、小さな暮らしがあります。

人の目には何も起きていないように見えても、庭は眠っているわけではありません。
食べるものを探す命がいて、身を守る命がいて、それぞれの時間を生きています。

庭を整えるとき、きれいにしすぎないことも大切です。

落ち葉を少し残す。
草を短く刈り込みすぎない。
暗がりや隠れ場所を、すべて取り除かない。

人には不要に見えるものが、小さな命には欠かせない住まいになることがあります。

暮らしの中にも、同じような場所が必要なのかもしれません。

誰にも見せない時間。
何もしない夜。
答えを急がず、静かに心の音を聴くひととき。

夜の庭に耳を澄ますと、見えない命と一緒に、自分の内側も静かに呼吸を始めます。


急がず、比べず、育つ時間を見守る。
根ノ庭

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