
夏のあいだ、光を受け止めていた枝葉も、九月になると少しずつ役目を変えていきます。
勢いよく伸びた枝を眺めながら、どこを残し、どこを軽くするかを考える季節です。
切ることは、成長を否定することではありません。
混み合った枝を少し整えると、内側まで風が届きます。
葉の重なりがほどけ、隠れていた幹の姿も見えてきます。
暮らしも、よく似ています。
大切に集めてきたものでも、今の自分には役目を終えていることがあります。
予定や習慣、人との距離も、抱えたままでは心に風が通らなくなることがあります。
何もかも捨てる必要はありません。
これからも育てたいものを見つけるために、少しだけ余白を戻す。
そのくらいでよいのだと思います。
枝を軽くした庭には、秋の静かな光が奥まで届きます。
手放した場所は、空っぽになるのではなく、次の季節が入ってこられる場所になるのです。
急がず、比べず、育つ時間を見守る。
根ノ庭
