九月の終わりになると、庭へ差し込む光の角度が、少しずつ変わってきます。
夏の強い日差しを避けて置いた鉢も、今の場所では光が届きにくくなっていることがあります。反対に、葉が茂った鉢どうしが近すぎて、風の通り道を狭くしていることもあります。
鉢を動かす前に、まず一日の庭を眺めます。
朝はどこまで光が入るのか。
昼には葉が熱を持ちすぎないか。
水やりのあと、土がどのくらいで乾いていくのか。
植物は家具のように、決まった場所へ置き続けるものではありません。季節とともに光や風が変われば、心地よい居場所も少しずつ移っていきます。
季節が変われば、心地よい居場所も少しずつ変わります。
ただし、環境を急に変えると負担になることがあります。一度に大きく移動させるより、葉の向きや土の乾き方を見ながら、少しずつ場所を調整します。
暮らしの中にも、努力を増やす前に、居場所を見直すだけで呼吸しやすくなることがあります。
机の向き。
よく使うものの置き場所。
一人で落ち着ける小さな時間。
自分を変えようと急ぐのではなく、今の自分が無理なく過ごせる場所を整える。
秋の光を受ける鉢を見ながら、育つ力を引き出すのは、強い刺激ではなく、ちょうどよい環境なのだとあらためて感じます。
季節の変わり目に、鉢と暮らしの居場所を、ひとつずつ見直していきます。
急がず、比べず、育つ時間を見守る。
根ノ庭

